| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 五味渕 典嗣 |
| (連携研究者) | 名桜大学 | 教授 | 屋良健一郎 |
| (連携研究者) | 琉球大学 | 教授 | 呉世宗 |
| (連携研究者) | 長崎大学 | 助教 | 樫本由貴 |
| (連携研究者) | 広島大学 | 教授 | 川口隆行 |
| (連携研究者) | 防衛大学校 | 教授 | 副田賢二 |
| (連携研究者) | 早稲田大学 | 教授 | 中村隆之 |
| (連携研究者) | 淡江大学 | 副教授 | 李文茹 |
| (連携研究者) | 早稲田大学 | 大学院博士後期課程2年 | 北﨑花那子 |
| (連携研究者) | 早稲田大学 | 大学院博士後期課程3年 | 劉榕燊 |
- 研究成果概要
本研究は、報告者が取り組んでいる科学研究費による共同研究(25K00451)を補完し、次の研究課題へと展開させるステップとして構想・実施したものである。具体的には、主に以下の活動を行った。
(1)戦争体験・戦争記憶の継承と分有にかかる研究動向の確認と整理。従来から戦争当事者の経験と記憶を次世代にいかに接続するかは課題として意識されてきたが、その一方で近年は、「継承されてしまった記憶」として、日本軍元兵士や軍関係者の家族が感受してきたドメスティックな暴力を取り上げる議論も登場している。以上の研究動向を踏まえ、現時点で戦争体験・戦争記憶のアーカイブをめぐってどんな問いが立てられ、どんな取り組みが進められているかを調査した。
(2)沖縄における平和教育・社会教育にかかるフィールド調査。戦争記憶をめぐる歴史実践の現場として沖縄の南部地域に着目、南風原町の旧陸軍病院壕、南城市のアブチラガマ、豊見城市の旧海軍司令部壕のフィールド調査を行い、ボランティア・ガイドの方への聞き取りを行った。合わせて、沖縄県立図書館郷土資料室で調査を行い、とくに1980-90年代の「戦跡観光」にかんする資料を収集した。
(3)歌人・屋良健一郎氏へのインタビュー実施。沖縄を拠点に活動する歌人・屋良健一郎氏の第一歌集『KOZA』を取り上げたインタビューを上述の科研費プロジェクトと共催した。この歌集には、沖縄戦の経験、米軍による統治時代の経験を持たないことを自覚する身体が「沖縄/沖縄人」と呼ばれるときの戸惑いと、戦争や占領を語らない年長世代の人々へのまなざしが交差する形で表現されている。インタビューの中では、列島社会と沖縄社会とのつながり/かかわりだけでなく、沖縄内部での中心と周縁の問題、沖縄の人々が生きてきた言語環境の歴史性の問題など、今後の研究の進展につながる充実した対話を展開することができた。