表題番号:2025C-693 日付:2026/04/03
研究課題中国における0〜3歳児保育制度の展開と日中比較による考察
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助教 聶 晶晶
研究成果概要

 本研究は、中国における03歳児保育制度の近年の展開を整理するとともに、日本との比較を通して、その特徴と課題を明らかにすることを目的として実施した。中国では、少子化対策や就労支援政策の一環として、乳幼児期の保育サービス拡充が急速に進められているが、その制度整備の過程や実践の実態については、十分に検討されていない。そこで本研究では、政策文書、行政通知、関連先行研究の収集・分析を行い、中国における托育サービス体系の形成過程、運営主体、サービス内容、財政支援の仕組み等を整理した。検討の結果、中国の03歳児保育は、公育を基盤とする段階から市場化を経て、近年は標準化へと展開してきたことが明らかとなった。さらに、2025年の政策においては、「1Nモデル」を軸とした多元的な運営体制の推進が示されていることを確認した。加えて、江蘇省南通市の保育園を事例として取り上げ、制度の具体的な実践状況を分析した。その結果、当該事例には、保育サービスへのアクセス拡大と質の確保とを両立させようとする実践的な工夫が認められた。一方で、評価指標の統一、人材の専門性の確保、地域間格差など、解決すべき課題も残されていることが示された。今後は、こうした制度運営を支える保育者養成制度のあり方について、さらに検討を深めていきたい。