表題番号:2025C-692 日付:2026/03/31
研究課題大学生を対象とした救命処置に関する意識や知識の実態調査
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 講師 吉村 茜
研究成果概要
【目的】学校教員が緊急時対応について高い知識や意識を持つことは、学校管理下での重大事故を防ぐ上で重要である。本研究では、教職課程を履修する大学生を対象にアンケートを配布し、緊急時対応に関する知識や意識の実態について調査することを目的とした。【方法】対象は、教職課程を履修する大学生446名であった。一次救命処置(Basic Life Support:BLS)に関する知識、緊急時における対応意欲、知識・技術習得に向けた学習意欲、緊急時対応に対する自信、以上4項目を調査した。知識については、正誤問題12項目に対して正答を1点、誤答を0点としてカウントし、合計得点(0~12点)を算出することで評価した。対応意欲については、「BLSを必要とする現場に遭遇したら、あなたはBLSを実施しますか?」という質問に対して4件法(1点:迷わず実施しない、2点:少し迷うが実施しない、3点:少し迷うが実施する、4点:迷わず実施する)で回答を求め、1~4点で評価した。学習意欲については、「今後、BLSに関する知識や技術を習得したいと思いますか?」という質問に対して4件法(1点:全く思わない、2点:あまり思わない、3点:やや思う、4点:とても思う)で回答を求め、1~4点で評価した。自信については、「BLSの実施に対して、自信はありますか?」という質問に対して4件法(1点:全く自信がない、2点:あまり自信がない、3点:やや自信がある、4点:かなり自信がある)で回答を求め、1~4点で評価した。【統計処理】Mann–WhitneyのU検定を用いて、各項目の得点について属性に応じた群間比較を行った(有意水準:危険率5%)。【結果】教員志望の学生は、そうでない学生よりも対応意欲および学習意欲の点数が有意に高値であった(いずれもp<0.01)。一方で、知識や自信の点数に有意差は認められなかった。また、研修受講経験が有る学生は、無い学生よりも知識、対応意欲、学習意欲、自信の全ての点数が有意に高値であった(知識:p<0.05, 知識以外:p<0.01)。【結論】教員志望の学生は、そうでない学生よりも緊急時における対応意欲や知識・技術習得に向けた学習意欲が高いことが示された。また、研修受講経験は知識だけでなく、対応意欲や学習意欲、さらには緊急時対応に対する自信を高めることが示唆された。