表題番号:2025C-690 日付:2026/03/24
研究課題「大井成元関係文書」の基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 講師 荒船 俊太郎
研究成果概要

明治時代から昭和戦中期の軍人・政治家である大井成元(おおいしげもと・18631951年、男爵・陸軍大将・貴族院議員)のご子孫が所蔵する数百点の古文書群(=「大井成元関係文書」)の整理および解読作業を進めている。特に本年度は、戦前・戦後直後の文書約200点(書状・葉書・書類)の内容を1枚ずつ確認し、重要な部分については翻刻も実施した。あわせて、『大井成元関係文書』(一般社団法人尚友倶楽部ほか編、約250ページ)として刊行(市販・公開)するための準備作業を進めつつある。本年度は、ご遺族から提供を受けた大井および大井家の年譜情報の確認と増補、他機関所蔵の関連資料、大井の著作物に関する情報の集約などを行った。

特に、「田中義一文書」(原本:山口県立文書館所蔵、国会図書館で閲覧可)の中から、数点の大井の回想(同郷の幼馴染で親友である田中に対する追悼談)を発見し、複写収集したこと(くずし字のため翻刻済)。大井が顧問を務めていた瑞穂倶楽部(昭和戦前期の右派政治団体)の機関誌『瑞穂』のバックナンバーから大井の論説を発見したこと(国会図書館が所蔵しておらず、同館DBに含まれない。古書店で発見)は大きな成果である。引き続き、大井成元に関する人物情報の収集と把握に努め、近年中の史料集刊行に向けた作業を着実に進めていく。

その他、2025年9月に一般社団法人昭和会館(戦前の貴族院男爵議員の互選団体が戦後に旧華族の社交クラブとなったもの。大井は192446年まで所属。東京都千代田区霞が関3丁目32号)を訪れて調査を行い、その後も定期的に情報交換を続けている。同会館よりこの史料群の概要と大井男爵の活動についての講演を依頼され、2026年9月下旬に研究講演をさせていただくこととなった。それが本格的な成果報告となる予定である。資料整理・史料集編さん・研究成果の一般公表の3つを軸に、今後も着実に本活動を深めていくこととしたい。