| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 下村 周太郎 |
- 研究成果概要
本研究は中世を中心とした日本前近代の文献史料について、研究資源化の推進と分析を行うものである。本年度は特に下記の諸点に取り組んだ。第一に、早稲田大学図書館所蔵の日本前近代史料について研究資源化を行った。特に早稲田大学図書館に依頼して、中御門家文書(文書12)のうち①巻388号史料と②巻390号史料、外記平田家文書(文書13)のうち③Ⅰ110号史料(「綸旨口宣案等写類入」)、伊地知鐵男文庫(文庫20)のうち④466号史料(「諸家書状貼交屏風」)の高精細写真撮影を実施した(画像は早稲田大学古典籍総合データベースで随時公開していく)。①②③は近世の中下級官人の家伝文書で、内容的には中近世の雑多な文書が含まれ、正文もあれば写もある。多くは近世の公家社会に関連する文書だが、一部紀伊国荒川荘、梅ヶ畑供御人などに関する中世文書も散見される。検討を要するものも見受けられるが、なぜこうした中世文書が近世中後期の公家社会で伝写されたのかなど課題となる。④は細川藤孝など中世末~近世初期の著名な文人の消息を貼り込んだ屏風である。既知の史料だが、十分活用されておらず、今後精査の余地がある。第二に、『鎌倉遺文』収録文書のうち出典を早稲田大学所蔵とされながら早稲田大学での所蔵が確認されない文書について、実際の所蔵先や伝来過程、また、早稲田大学所蔵と誤られた事情などについて検討を加えた。第三に、今後早稲田大学所蔵史料の研究資源化を推進していく上で、そもそもどのような史料が存在しているのか、内容の確認作業を進めた。上述の史料群のほか、教林文庫・佐佐木忠慧旧蔵資料・荻野三七彦旧蔵資料・柴辻俊六旧蔵資料・西岡虎之助旧蔵図書(旧・西岡文庫)などの原本閲覧や目録調査を進めた。第四に、同じく研究資源化の前提として、既刊の『早稲田大学蔵資料影印叢書 国書篇』の古文書集1・2・3および近世文書集に収録されている史料のリストアップを行った。