表題番号:2025C-684
日付:2026/02/11
研究課題「共生社会に関する意識調査」(2025年2月実施)から得られたデータの分析と考察
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文学部 | 教授 | 岡本 智周 |
- 研究成果概要
- 申請者は社会意識研究を専門とし、これまで継続的に社会意識調査を実施してきた。2025年2月には、全国の成人から2000名の回答者を抽出するデザインでの大規模意識調査「共生社会に関する意識調査」を実施した。本研究の目的は、この調査から得られたデータを分析し、過去の調査結果との経年比較を行いつつ、日本社会に生きる人々の「共生社会」の理解を明らかにすることである。現在の日本社会に「共生」への志向性がどのように構造化しているのか、そこに学校教育での経験と得られた知識・認識がいかに関わるのかを探索することを課題とした。
分析の結果、「共生社会」の理解の背景にはマイノリティとの社会的交流経験の影響を想定できることが明らかとなった。また、高校時代における自律的な学びの経験や探究的な志向性が、複雑な社会課題である共生の理解を深める鍵となる可能性が示された。さらに、「共生社会」は単一の理想像というよりも、時代や社会の状況のなかで人びとが直面している“問題の束”として想定されていることが示された。
これらの知見は、2026年1月に早稲田大学共生教育社会学研究室から発行された報告論稿集『「差」と共に生きる社会――2025年調査報告』において公表した。同論稿集は、国立国会図書館、東京都立中央図書館、早稲田大学図書館等に納本した。また、分析結果の一部を用いて2026年1月にウェブ記事「「共生社会――関心の変容を手がかりに、共に生きる制度を考える」(太郎次郎社エディタスWebマガジン [Edit-us],https://www.editus.jp/archives/16196)を公開した。
加えて、本研究の実行によって、2026年度科研費研究として申請した課題「学校カリキュラム上の「共生社会」概念の分析および社会意識への影響に関する調査研究」の理論的基盤が準備されることとなった。次なる調査研究のための仮説が構築された。