表題番号:2025C-677
日付:2026/03/28
研究課題動きのドラマトゥルギーの共同研究とドラマトゥルクハンドブック出版準備
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 文学学術院 文化構想学部 | 准教授 | 中島 那奈子 |
- 研究成果概要
- 米国を代表するダンスドラマトゥルク、イエール大学のキャサリン・プロフェタ教授を招聘し、国際共同研究「動きのドラマトゥルギー」(研究代表者 中島那奈子)を実施した。本研究は、身体の動きを通じて生まれる作品において、ドラマトゥルクがいかに未来性を見出すかを探究することを目的とした。知と感情、理論と実践を往還するドラマトゥルクの作業を可視化するため、次の二つの形式で研究を展開した。①早稲田大学演劇映像学会での基調講演および申請者との対談(2025年9月21日、早稲田大学総合人文科学研究センター「イメージ文化史」部門との共催)、②ドラマトゥルギー・ワークショップ(2025年9月20日)。基調講演においてプロフェタ教授は、ダンスドラマトゥルク史に触れた後、振付家ラルフ・レモンとの協働を例に、ドラマトゥルクが担う創造的なリサーチを、観客というテーマから考察した。申請者との対話のなかで、ドラマトゥルクの作業では断片と喪失といった未完成のあり方が創造を促進し、黒人振付家であるレモンが白人ドラマトゥルクであるプロフェタとの協働を通して人種問題を可視化していったこと、そして「いま・ここ」というストレートな時間を批判する未来性のあり方も明らかになった。WSでは、学外から参加したダンサー・振付家と共に、学生たちが振付家とドラマトゥルクの創造的なやり取りを体験する場が持たれた。これらの講演とWSを通じ、「動き」を日本のダンスドラマトゥルクの地平で捉え直し、リサーチを起点としたドラマトゥルクの感情と知の探究の広がりを、講義及び参加型形式で共有することができた。①の講演録は、演劇映像学会紀要「演劇映像」67号に掲載されている。また、2027年度刊行予定の編著『ドラマトゥルク・ハンドブック』に所収するため、国内外のドラマトゥルク6人に執筆を依頼し、その英語原稿の翻訳も進めた。加えて、さらに充実した内容にするため、キャサリン・プロフェタ著Dramaturgy in Motion: At Work on Dance and Movement PerformanceからChapter 5 “Interculturalism” の翻訳も依頼した。