表題番号:2025C-663
日付:2026/04/03
研究課題無歪み画像圧縮のための確率モデル構築研究:要素モデルの統合による総合モデルの構築
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | データ科学センター | 講師 | 中原 悠太 |
- 研究成果概要
- 無歪画像圧縮のための確率モデルの要素モデルとして,これまで様々なモデルを開発してきた.例えば,基本的な画素値の生成モデルとしての平面的自己回帰モデル,その雑音項の分布をラプラス分布にしたモデル,雑音項の分散が周辺画素に依存して定まるモデル,自己回帰係数が時点によって変化するモデル,それらを領域ごとに組み合わせる四分木領域分割モデル,それを一般化した非全分木による四分木領域分割モデルなどである.今年度は,これらの要素モデルを統合し,総合画像確率モデルの開発を進めた.総合画像確率モデルについては,今後IEEE Transaction on Information Theoryなどの論文誌に投稿予定である.また,これらの要素モデルの統合の過程で,いくつかの派生的な研究成果が得られた.一つ目に,決定木確率モデルの事後分布計算アルゴリズムに関する成果をAISTATS2025で発表した[1].この決定木確率モデルは総合画像確率モデルと同様の階層構造を有しており,この研究成果は総合画像確率モデルの事後分布計算にも応用可能である.二つ目に,三値回帰ReLUニューラルネットワークの表現能力を理論的に評価するために線形領域数の下界を導出した研究について第48会情報理論とその応用シンポジウムで発表した[2].三値ReLU回帰ニューラルネットワークは線形関数を非線形に組み合わせることで構成されており,線形自己回帰モデルを木構造型に混合した総合画像確率モデルの表現能力についても一定の示唆を与えるものと考えている.三つ目に,画像に限らず様々な確率モデルの木構造型の混合に関する理論的成果が電子情報通信学会の英文論文誌で掲載された[3].この成果は総合画像確率モデルにおける要素モデルの混合に直ちに適用可能である.