| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 大学総合研究センター | 講師 | 山田 寛邦 |
- 研究成果概要
本研究は、学生が総合知的資質の基盤を形成するための授業のデザイン・実践を行うとともに、そこで育成される資質を評価するためのルーブリックを開発し、それを用いた評価を実施することを目的とする。
本研究では、主として以下の3点に取り組んだ。
① 総合知的資質の形成を目指す授業のデザインと実施
本研究の一環として、早稲田大学社会科学部において「総合知入門」および「社会科学創造的探究」の2科目をデザイン・更新した。いずれもオムニバス形式の授業である。
「総合知入門」は、1年生から履修可能なクオーター制のオンデマンド科目であり、総合知の概念、学び方、応用について学ぶことを目的としている。学生(履修者:約200名)は、「総合知事例データベース」の作成を通して、社会の多様な分野において総合知が活用されている事例を学び、最終課題では、自らの総合知アプローチに関する考えをまとめた。本科目は2024年度に開講したものであるが、2025年度も内容を更新して実施した。
「社会科学創造的探究」は、2年生から履修可能なクオーター制の対面・オンデマンド複合科目であり、持続可能な社会の構築に向けて、総合知を活用しながら多角的に探究することを目的としている。学生(履修者:約20名)は、問いそのものを発展させ、社会課題解決型プロジェクト等へ応用可能な総合知を育成するため、最終プロジェクトとしてポスターセッションを実施した。
② 総合知的資質の形成を目指す授業におけるルーブリックの開発・運用
上記2科目において活用するルーブリックを開発・運用した。
「総合知入門」では、前年度に社会科学部ルーブリック(社会科学・学際ルーブリック)をもとに授業用ルーブリックを作成しており、今年度も学部ルーブリック(各総合)および授業ルーブリックを用いた。授業第1回コンテンツにおいて事前ルーブリック評価、第14回コンテンツにおいて事後ルーブリック評価を、いずれも自己評価として実施・集計した。事前・事後の値を分析した結果、いずれのルーブリックにおいても、DPに関連する資質の向上が確認された。
「社会科学創造的探究」では、評価のために「①コース共通ルーブリック」「②コミュニティ・社会デザインコースルーブリック」「③探究フレームワーク到達度ルーブリック」を作成した。学生は対面で実施した最終回(第12回)のポスターセッション終了後にルーブリックを記入し、授業参加前の点数と現在の点数について自己評価を行った。事前評価は回顧的評価ではあるものの、授業前と比較して授業後の自己評価では、いずれのルーブリックでも向上がみられた。
③ ルーブリック運用結果の報告
ルーブリックの運用およびその結果については、「研究成果発表実績」欄に記載のとおり、学会等において報告を行った。ルーブリック評価そのものを主たる発表目的としたものではないが、総合知を育成する授業や教育プログラムにおける評価手法およびその結果として、発表の中で言及した。
以上のように、総合知的資質を育成するための基礎となる授業のデザイン・実践を進めるとともに、その評価指標となるルーブリックの開発・運用を実施したことにより、本研究の目的は概ね達成されたと評価できる。