表題番号:2025C-645 日付:2026/03/25
研究課題ミトコンドリアを保護するための分裂誘導メカニズムの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 志村 大輔
研究成果概要
本研究では、GJA1-20kを介したミトコンドリア保護経路の有効性を、細胞から個体レベルまで一貫して検証した。まず、GJA1-20kのPIP結合部位およびアクチン結合部位が、オルガネラ局在、ミトコンドリア分裂誘導、酸化ストレス耐性獲得に必須であることを明らかにし、本分子がミトコンドリア保護の中核因子であることを示した。さらに、心臓の虚血再灌流障害モデルでは、GJA1-20kの外因的導入によりミトコンドリア機能障害および臓器障害の軽減が示され、心筋保護への有用性が支持された。加えて、新たに肝臓虚血再灌流モデルにおいてもGJA1-20k導入による保護効果の検証を行い、同様の成果が得られた。これは、心臓以外の臓器においても本経路が有効に機能することを示唆している。また、DRP1(K38A)導入によるミトコンドリア過融合型の拡張型心筋症モデルでは、GJA1-20kの追加導入によりミトコンドリアサイズ異常や心機能低下の改善傾向が認められて来ており、引き続き検証を続けていく。以上より、本研究は、分裂抑制ではなく分裂誘導を介して臓器保護を実現する新たな治療概念の基盤を築き、ミトコンドリア異常を伴う多様な疾患への応用可能性を示した。
本成果の一部をまとめて、Asian Cardiovascular Symopsium、Osaka Mito(ミトコンドリア国際シンポジウム)、日本生理学会にてポスター発表と口頭発表をした。また、Cell Chemical Biology誌に原著論文として投稿し、現在リバイス中である。