表題番号:2025C-626 日付:2026/04/03
研究課題穴埋め式ノートブックによる高校生向けプログラミングカスタマイズ教材の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 八百幸 大
(連携研究者) 早稲田大学高等学院 教諭 吉田 賢史
(連携研究者) 東京女子大学 教授 劉 雪峰
(連携研究者) 新潟大学 特任准教授 齋藤 裕
研究成果概要
本研究は、学習者間の基礎力や学習経験の差による学習格差に対応するため、高校生の主体的学習を促すプログラミング教材を設計し、学習効果・学習意欲・自己解決能力などを含む教育的効果の検証を目的とした。

個別化学習および適応的学習の枠組みに基づき、ipynb形式による補助解説付き教材、穴埋め式ノートブック、Parsons問題を統合したカスタマイズ教材を設計した。さらに、Jupyter Notebookを基盤としたクラウド型プログラミング環境を用い、作成したプログラムの実行や結果の可視化を容易に実施できる環境を構築した。しかし、授業実践を通じて複数指標による教材効果の評価を計画したものの、その具体化およびデータ収集方法の確立には至らなかった。

観察レベルではあるが、クラウド環境の導入によりシステム操作に関する技術的障壁が低減されたと考えられ、生徒の意識が課題理解に向けやすくなった結果、以前より質問の機会が増加した。また、システムログから授業外学習の活発化が認められた。さらに、課題において構文エラーの減少や表現の多様化が認められ、試行錯誤の増加と課題の質的向上につながった可能性がある。加えて、課題提出・回収および実技試験の運営において、教員の作業負担の軽減がアンケートにより確認された。

以上の結果から、穴埋め式ノートブックをはじめとする教材による認知負荷の調整と、クラウド環境による即時実行およびフィードバック機能の統合により、学習の継続性および主体性の向上につながる可能性がある。特に、学習の中断要因が減少したことにより、試行錯誤の機会が拡大し、その結果として学習行動の変化に影響が及んだと考えられる。一方で、学習効果を客観的に検証するための評価指標およびデータ収集手法が十分に確立されていなかったため、今後は評価指標の構築とデータ収集体制の整備を通じて、教育モデルの実証的検証を進める必要がある。