表題番号:2025C-624 日付:2026/03/28
研究課題日本語学習者の拗音の音声生成における特徴と生成難易度
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語教育研究センター 准教授 井下田 貴子
研究成果概要
日本語教師を対象としたアンケート調査において,学習者の多くが「拗音⇔直音」のように双方向に誤ることが報告されている。例えば「今日(きょう)→きよう」「自由→じゅう」のように拗音と直音の相互代用がモーラ数を変化させ,リズムの崩れを生じさせる。日本語非母語話者にとって拗音の習得が困難とされるのは「口蓋化子音+母音」の調音運動の複雑さが原因と考えられ,発話リズムに影響を及ぼしている。さらに,後続母音が/u/と/o/の場合,母語によっては干渉が見られ,生成・知覚の混同が生じる。本研究の最終目的は,日本語非母語話者への拗音の音声教育支援システムの開発である。本研究の最終目的は、拗音の調音運動の複雑さを視覚的・音響的に解明し,生成・知覚情報に基づいた評価指標の開発を行うことである。そこで、その第一歩として本研究ではヨーロッパ語圏の上級学習者を対象に音声生成調査を行った。調査方法は、音節単位、語彙単位をターゲットとして録音を行い、音響分析を実施した。その結果、主に音節単位の発話において母音の質に母語の影響が見られた。しかし、聴覚印象としては語彙単位において母音やリズムの日本語としての許容に困難はなかった。拗音の難易度という観点においてはアジア地域など、他の母語話者の発話と比較する必要がある。また、日本語習熟度による比較や聴取による評価も今後行うことで、難易度の詳細が明らかになるものと思われる。