表題番号:2025C-602 日付:2026/02/02
研究課題ユース世代を対象としたスポーツを用いたライフキャリア教育の実践研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 助教 安永 太地
研究成果概要
本研究では,情報社会の進展や価値観の多様化が進む現代において,仕事のみならず余暇や生活を含めたライフキャリア教育の重要性が高まっているという課題意識のもと,ユース世代を対象に,スポーツを用いたライフキャリア教育教材の開発に取り組んだ.特に,学校体育において「スポーツ嫌い」が指摘される中,競技成績や技能向上に偏らず,スポーツの「楽しさ」や「心地よさ」に着目し,ウェルビーイングの観点からそれらを言語化することを重視した点に本研究の特徴がある.

本研究の対象は,スポーツ系大学の初年次学生であり,教養教育の授業として実施した.具体的には,これまでのスポーツ経験を時間軸で振り返る「スポーツ人生史」の作成や,最も充実していた場面をもとにスポーツの「好き」を分解・可視化するワークを中心とした教材を開発した.さらに,グループでの共有や対話を通じて,他者の多様な感じ方や価値観に触れる活動を組み込み,スポーツ体験の内省を自己理解へとつなげる構成とした.試作段階におけるテスト的な活用からは,スポーツの楽しさを言葉にするプロセス自体が,スポーツ観を見直し,生涯スポーツの観点やウェルビーイングを考える契機となる可能性が示唆された.

一方で,開発した教材については,体系的な授業実践および量的・質的な効果測定は今後の課題である.今後は,実際の教育現場における実施を通じて,ウェルビーイング意識やライフキャリア意識への影響を検証し,より汎用性の高い教材への改善を進めていく予定である.