表題番号:2025C-592 日付:2026/03/23
研究課題顔面の皮膚血流から運動習慣と年齢を推察する試み
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 教授 林 直亨
研究成果概要
 本研究では,顔面の皮膚血流から運動習慣と年齢を推察することを試みた.ただし,運動習慣の影響を検討できるほどのデータ数を収集できなかったため,これまで収集してきた関東地方在住者のデータと沖縄県で得られたデータとの比較も行った.なお,沖縄の紫外線量は多く,那覇はつくば市の約1.2倍と高い値を示す(気象庁HP).結果として、関東地方と沖縄県とで地域差が見られたので,地域差を中心に報告する.
 新たにデータ収集の対象とした者は,沖縄県在住の56名(男性18名,女性38名)であった.10代から90代を含んでおり,年齢に極端な偏りはなかった.顔面の皮膚血流をレーザードップラー法にて10秒間測定した.測定データから,おでこ,左瞼,鼻,左頬,右頬,下唇の6か所の皮膚血流指標を算出した.年齢および地域差の有無について統計解析を行った.
 その結果,血流指標と年齢には相関関係がみられ,加齢の影響が顔面の皮膚血流に影響することが示唆された.地域別でも同じような傾向が認められたものの,相関の強弱に差が見られた.すなわち,関東地方では下唇の領域のみが年齢との相関関係(r≧0.4)が見られた一方,沖縄県ではおでこや鼻,両頬において相関(r≧0.4)が見られ,下唇では相関が見られませんでした.また,平均の血流では地域差がみられても,血流波形のピークと平均値との関係を数値化した指標では地域差が無くなるなどの現象も認められた.これらのことから,地域差がある指標と,地域で分けずに同じ物差しで使えそうな指標とがある可能性が示唆された.今後は広域におけるデータを収集し,加齢や運動習慣についての全国的な傾向を調べる必要があると推察された.