表題番号:2025C-591 日付:2026/02/11
研究課題部員一人一人が輝けるチームづくりとそれを実現する指導の在り方
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 教授 深見 英一郎
研究成果概要
 運動部活動では,チームメイトや指導者との関わり合いの中で責任感,協調性,思いやりの心などを身につけ,様々な体験を通して社会性や行動力などを育成することが期待されている(文部科学省, 2014).しかし,これまで多くの部活指導では,チームを何回勝利に導いたかが指導者の力量として評価されたため,指導者が強いリーダーシップを発揮して選手を自在に操る,トップダウン型の指導が一般的であった.ここでは選手の主体性が尊重されないケースやそれに依存する傾向がみられた.実際,深見・井上(2019)の研究では,チームの練習内容・方法については指導者の指示に依存する傾向がみられた.一方,ある中学野球部において練習計画・内容の決定,試合のオーダー・采配を部員に委ね,指導者は組織運営のコーディネーターの役割に徹することで部員の高次な自治が発揮されたとの報告もみられる(制野, 2013).これは一つの実践報告であり,未だ研究レベルでどうすれば選手の主体性が効果的に発揮されるかを究明しようとした研究は見られない.
 そこで,本研究では指導者がどのようにアプローチすれば部員は自分たちで考えて行動できるのか,また部員一人一人がどのような意識で活動に取り組めば,目標達成に向け仲間が思いを一つにして協働・挑戦するチームワークが発揮されるかを明らかにしたいと考えた.チームワークは「集団の凝集性」と呼ばれ,凝集性の高いチームほどパフォーマンスが高まる.凝集性には,部員同士や指導者の関わりといった人間関係に対する満足度を示す「対人凝集」とチームのビジョンに対して部員がどの程度惹かれているのかを表す「課題凝集」の2つがあり,チームスポーツでは両者ともに重要な要素となる.現在,部員一人一人が輝けるチームづくりの介入指導とアンケート調査の実施計画を作成中である.