表題番号:2025C-578
日付:2026/02/19
研究課題声優の発声と身体活動との関係に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 准教授 | 関根 和生 |
- 研究成果概要
- 本研究は,アフレコ場面における日本語母語のプロ声優の音響特性と表情変化をノービスと比較し,プロ声優発声時の言語的・非言語的な特徴を明らかにすることを目的とした。参加者はプロ声優10名(平均28.3歳)とノービス25名(平均21.1歳)であり,演技経験(プロ,ノービス)を参加者間要因,刺激種類(アニメ,実写)を参加者内要因とする2要因混合計画で実験を実施した。録音スタジオで,10〜25秒の刺激計13本(アニメ7本,実写6本)に対するアフレコ課題を行った。収録した音声をもとに,発話区間ごとにピッチ,パワー,発話長を算出した。ピッチは話者内平均Hzを基準にセミトーンへ変換し,話者内ピッチ変化量を指標化した。表情はOpenFace 2.0で解析し,AU強度(0〜5)の最大値と最小値の差をAU変化量として抽出した(実写刺激のみ)。結果として,変化量は演技経験の主効果が有意であり,プロ群がノービス群より大きかった。 以上より,プロ声優は,声の高低のレンジを広く用いて感情表現を組み立てる可能性が示された。刺激は,喜び,悲しみ,怒り,驚き,恐れ,嫌悪の6感情が表情と身振りに顕著に表れる場面を各1本ずつ選定し,無感情場面も1本含めた。実写刺激は男女各1名のモデルが台詞を演技して撮影し,台詞長をアニメ刺激と同程度に調整した。これにより,アニメという非写実的表象と,生身の人物という写実的表象の双方で,声と顔の制御がどう変化するかを比較可能にした。さらに,方法論的成果として,統制された録音条件下で,音声指標と表情指標(AU)を同一課題で併置しうる枠組みを提示した。本研究成果は学術誌へ投稿する予定である。