表題番号:2025C-577
日付:2026/04/03
研究課題未就学児および児童を対象とした自転車交通安全教育カリキュラムの構築
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 教授 | 加藤 麻樹 |
- 研究成果概要
本研究では,「未就学児および児童を対象とした自転車交通安全教育カリキュラムの構築」を目的とし,所沢市「わかば児童館」の協力のもと,学童児童を対象とした実践的な交通安全教育を実施した.本プログラムでは,一時停止不履行や安全確認不足など,自転車利用時に典型的に見られる違反行動に着目し,これらを単なる知識として提示するのではなく,模擬走行や体験型課題を通じて理解させる構成とした.特に,交差点通過時の視認性や他者との関係性を実感させる活動を組み込むことで,児童自身が危険の構造を主体的に認識することを重視した.
その結果,児童の多くは活動に高い関心を示し,繰り返し参加や積極的な発言が観察されたほか,自らの行動を振り返る発言も確認された.また,指導者による観察記録からも,体験を通じた学習が行動理解の深化に寄与していることが示唆された.これらの定性的評価から,従来の知識伝達型教育に比して,体験的要素を組み込んだカリキュラムが児童の学習意欲および安全意識の向上に有効であることが明らかとなった.
今後は対象年齢や地域特性の異なる集団への適用を通じて汎用性の検証を進める必要がある.さらに,行動観察や生理指標等を併用した定量的評価手法の導入により,教育効果の客観的測定を試みるとともに,長期的な行動変容の追跡を行うことで,より実効性の高い交通安全教育モデルの確立を目指す.これらの成果を基に,地域社会と連携した持続可能な自転車交通安全教育の展開へと発展させることが期待される.