表題番号:2025C-576 日付:2026/03/30
研究課題高大接続を目的としたマイクロコンピュータを用いたワークショップの開発と評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 尾澤 重知
研究成果概要
 本研究は、高等学校で「情報I」「情報II」等を学んだが、十分な理解に至っていない、もしくは何らかの事情によって必修で習得すべき内容を学べなかった学生を対象とした授業実践研究である。情報I・IIの扱う範囲は広いが、本研究では高大接続の支援を目的に、計算論的思考(コンピュテーショナルシンキング)の習得を中心として、生成AIを用いた開発方法の検討など、近年の動向を取り入れたワークショップデザインを試みた。
 実践研究として、高校生対象のワークショップを2025年7月に1回、大学生対象のワークショップ等を含む実践を2026年2月に実施した。
 高校生対象のワークショップでは、公募により約10名を対象とした。初学者が学びやすいツールとしてプログラミング学習用のマイクロコンピュータであるmicro:bitを用いたプログラムを設計し、計算論的思考で重要となる「要素分解」や、適度な試行錯誤や生産的失敗が可能なプログラムの設計および評価を行った。
 大学生対象の授業実践では、約100名が履修を希望したため、マイクロコンピュータではなく、開発環境としてUnityを利用することとした。理数系に関心がある学生に対してはアルゴリズムについての理解促進を目的とし、高校の物理法則等を含むシミュレーションが可能なワークショップを実施した。いわゆる文系で数学や物理を十分に学習できなかった学生に対しては、おはじきを利用し、現実世界の抽象化を促す学習プログラムの試行的評価を行った。
 結果として、高校生対象のワークショップでは実質4時間程度で全参加者が課題として設定していた目標を達成できたことを確認した。大学生を対象としたワークショップにおいては、全体の約7割の学生がUnityを利用したワークショップにおいて目標の達成を確認した。残りの3割弱の学生においても、個別に設定した目標を達成できたことを確認した。今後は、高大接続を視野に入れた大学生に対するSTEAM教育のプログラム開発へと、本研究を発展させていきたい。