表題番号:2025C-568
日付:2026/03/16
研究課題避難要支援者の個別避難計画策定方法に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 准教授 | 古山 周太郎 |
- 研究成果概要
- 本研究は、高齢者や障害者などの避難時要支援者を対象とした個別避難計画の効果的な策定方法を検討することを目的とした。災害対策基本法の改正により、市町村には個別避難計画の策定が努力義務化されたが、実際には個人情報保護の課題、避難等支援者の確保の困難さ、地域との情報共有のあり方など、多くの課題が存在しており、実効性のある策定方法の確立が求められている。そこで本研究では、地域組織と連携しながら個別避難計画の策定を推進している沖縄県北中城村を対象地とし、関係者へのインタビュー調査を実施した。調査の結果、北中城村における個別避難計画の策定および運用には、いくつかの重要な特徴が確認された。第一に、個別避難計画は、地域との共有と個人情報保護の両立を図るため、内容を二つのパートに分けて構成していた。具体的には、介護・医療サービスの利用状況や生活上の支援ニーズなど、個人情報性の高い事項を整理した部分と、災害時の避難行動の流れや必要な支援行為を時系列で示した支援タイムラインの部分とに区分されていた。このような構成により、共有すべき情報と慎重に取り扱うべき情報が整理され、計画の共有可能性と実用性が高められていた。第二に、策定した計画を文書として保管するだけでなく、それに基づいて地域の自主防災組織による避難訓練を実施し、訓練で明らかになった課題や改善点を計画の見直しに反映させる取り組みが行われていた。第三に、一部地域では地区防災計画の中に要支援者対策を位置づけることで、自主防災会が避難支援を担う体制が明確化されていた。これらの取り組みにより、個別避難計画を地域防災活動と接続し、その実効性を高める実践的な仕組みが形成されていることが明らかとなった。