表題番号:2025C-567 日付:2026/02/02
研究課題細胞内凝集体に対する操作技術の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 神山 淳
(連携研究者) 早稲田大学人間科学部 次席研究員 友岡領
研究成果概要
細胞内には、膜で囲まれない分子集合体である「相分離構造体(凝集体)」が存在し、遺伝子発現制御や細胞運命決定などの重要な生命現象に関与している。しかし、これらの構造体を生細胞内で直接可視化・操作する技術は限られており、その機能の因果的理解は十分に進んでいない。
本研究では、クロマチンリモデリング因子ATRXが形成する相分離構造体を標的とした操作技術の確立を目指し、その基盤として、内在性ATRXを生細胞で可視化可能なヒトiPS細胞レポーター系を構築した。CRISPR/Cas12aを用いてATRX遺伝子座のN末端にEGFPをノックインし、ATRXの発現制御を保持したまま蛍光標識を実現した。
作製したiPS細胞は多能性、正常核型、三胚葉分化能を維持しており、EGFP-ATRXは核内で顆粒状構造として局在した。ライブセルイメージングおよびFRAP解析により、これらの構造が動的分子交換を伴う相分離構造体であることを確認した。本成果は、ATRX相分離構造体の形成・動態をリアルタイムで解析・操作するための基盤技術を提供するものであり、その成果は国際学術誌において発表された。