表題番号:2025C-561
日付:2026/04/03
研究課題マインドフルネスの行動測定法の確立と妥当性検討
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 教授 | 熊野 宏昭 |
- 研究成果概要
- 本研究では、マインドフルネスを客観的に測定する行動指標として、Mindful Awareness Task(MAT)の妥当性を検討した。マインドフルネスは主観的・言語的に捉えにくく、従来の呼吸カウント課題や心拍検出課題では瞑想経験との関連が必ずしも一貫して示されてこなかった。そこで本研究では、日本版MATを作成し、瞑想経験の有無によって、瞑想中の気づきの時間的特徴や気づきの対象に違いがみられるかを検証した。対象は、WASEDA’S Health Studyの脳MRI測定コースに参加した40歳以上の早稲田大学校友生および配偶者260名であった。MATでは、20分間の観察瞑想中に呼吸への気づきをキー押しで記録するとともに、呼吸以外の思考・感情・身体感覚などへの気づきを言語報告させ、気づきの時間指標と対象指標を算出した。瞑想経験者56名と非経験者204名を比較した結果、気づきの時間指標には有意差は認められなかった一方で、身体感覚への気づきの回数は瞑想経験者で有意に多かった。また、呼吸以外の対象への気づき全体や快体験への気づきも、経験者で多い傾向がみられた。これらの結果から、MATは瞑想経験による変化を反映しうる行動指標であり、特に瞑想中に何へ気づきやすいかという側面を捉えるうえで妥当な指標である可能性が示された。本研究は日本マインドフルネス学会第12回大会で発表され、優秀研究賞を受賞した。