表題番号:2025C-560 日付:2026/03/23
研究課題所沢キャンパス周辺で発生する冷気湖現象の微気象観測
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 助手 上野 一喜
研究成果概要

本研究では、所沢キャンパスが位置する狭山丘陵北部の窪地地形に着目し、中山間地における冷気湖現象の実態解明を目的として観測および解析を行った。一般に冷気湖は大規模な盆地地形で形成される現象として知られるが、本地域のように高低差約30 m程度の小規模な窪地での発生事例はこれまで十分に報告されていない。昨年度は既存観測点の再整備を進めるとともに、長期観測に対応したデータの一元管理体制を構築し、観測網の高度化を図った。その結果、冬季の晴天・弱風条件下において冷気湖が顕著に発達し、強風時や曇天・降雨時、さらに夏季にはほとんど形成されないという典型的な特徴を有する高精度データを取得することに成功した。現在、これらの成果を体系的に整理し、論文として取りまとめている。

さらに、局地気象と生物応答の関係性を解明するため、媒介蚊の個体群動態を推定するプロセスベースモデル(PCMP)の改良を行い、局地スケールでの適用性を強化した。所沢キャンパスは複雑な地形条件に加え、舗装面、草地、森林(常緑樹・落葉樹)など多様な土地被覆が混在しており、微気象の空間的不均一性が顕著である。本研究では、このような局地環境の異質性を明示的に考慮することで、気象条件と生物応答の結合過程をより精緻に再現する枠組みを提示した。これを国内学会だけでなく国際学会でも発表を行った。