表題番号:2025C-559
日付:2026/02/02
研究課題リュウキュウコノハズクの生存率は交通量の多い道路の近くで低下するか?
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 助教 | 澤田 明 |
- 研究成果概要
- 南西諸島では希少種を含む野生生物の交通事故死が問題となっており、リュウキュウコノハズクも例外ではない。本研究は、石垣島において本種の生存率が交通量の多い主要道路沿いで低下するかを検証するため、標識再捕獲調査と轢死体記録を行った。2024年9月および2025年3月に標識した25個体のうち12個体が再確認され、主要道路沿いでは7個体中3個体(42.9%)、森林内では18個体中9個体(50.0%)であった。両者に有意差は認められず、予測された「道路沿いで生存率が低下する」という傾向は確認できなかった。原因として、総個体数の少なさや、繁殖後の縄張り移動期に標識した個体が多かったことによる再確認率の低下が考えられる。今後は新規標識個体の継続調査や、移動の少ない時期のデータ蓄積、標識再捕獲法による見落とし補正が必要である。また調査中に新鮮な成鳥の死体を1例記録したが、衝突の瞬間を確認していないため交通事故死と断定はできない。死体が翌朝には消失していたことから、カラス類やイエネコによる持ち去りが示唆され、轢死体の残存時間の把握が今後の事故発生率推定に重要である。こうした個別事例の蓄積が交通事故対策の基盤となる。