表題番号:2025C-554 日付:2026/03/28
研究課題沿線開発の国際移転を探る ー 私鉄資本の政治史における比較歴史研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 先端社会科学研究所 助教 劉 雨迪
研究成果概要
本研究は、この一年間において着実な進展を遂げた。とりわけ、中国・英国で開催された四件の学会・研究集会への参加は、本研究を深化させる重要な契機となった。これらの機会は、研究者との意見交換にとどまらず、歴史的事例と現代的事例の双方を現地で観察する機会ともなり、沿線開発がいかに制度として定着し、また地域や国境を越えて移転・変容してきたのかを考えるうえで重要な知見をもたらした。とりわけ、中国では成都および厦門における近年の開発・再開発事例を視察し、英国ではロンドンの旧メトロポリタン鉄道沿線、即ち現在のロンドン地下鉄メトロポリタン線沿線につながる地域を訪れ、その形成過程と空間構造を確認した。加えて、各地の研究者・実務関係者との継続的な対話を通じて、沿線開発を支える制度、資金、計画思想の差異と共通性について理解を深めることができた。こうした進展は、土地利用と交通の総合をめぐる方法論および制度に関する現在の研究にも重要な示唆を与えており、新たな研究成果の形成にもつながっている。これらの海外調査と議論は、日本都市を対象とする継続中の研究とも密接に結びついており、その成果の一部は現在、査読付き論文として審査中である。また、関連する研究全体は、契約済みの単著書としても取りまとめを進めている。このように、本年度は、現地調査、国際的な学術交流、ならびに論文・著書の執筆が相互に連関しながら進展した一年であった。