表題番号:2025C-553 日付:2026/04/03
研究課題生活文化を基軸としたリカバリープロセスのデザイン論に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 講師 益子 智之
研究成果概要

本研究では、令和6年能登半島地震で被災した輪島市黒島地区においてアクションリサーチを実施し、以下に記す3つの観点からリカバリープロセスの分析を行った。

第一に、被災建物の公費解体期間終了前と後で、空き地や住宅の応急修理と修復工事、再建の進捗状況を把握し、地図上で空間変容の実態を把握した。また、黒島の町並みの中で重要な視点場を抽出し、定点観測を進める場所を特定した。

第二に、黒島の復興まちづくりを推進する体制に着目し、被災から2年3ヶ月経過時点までの体制変化を把握した。その結果、多様な主体の参画するプラットフォームから想いを共有する主体同士のプロジェクトパートナーシップへの変容を明らかにした。

第三に、黒島の伝統文化を継承する活動に参画し、ローカルイニシアティブの生成支援を行った。この活動を通じて、歴史と文化の掘り起こしを行い、今後の新たなイニシアティブ生成に向けた物語を見通した。

リカバリープロセスの分析を踏まえて、今後のプロセスデザイン論構築に向けて、1)震災前後の時間的連続性を意識したイニシアティブの継続、2)プロセスの段階に応じた体制の柔軟な変更、3)支援制度の説明や専門家の派遣を行う現地相談窓口の開設、を3つの考慮すべき重要な3要素としてまとめた。