表題番号:2025C-549 日付:2026/03/27
研究課題AI駆動型データ品質保証と不確実性制御のための統合的統計学習フレームワーク
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授 須子 統太
研究成果概要
本研究は,データ分析・機械学習における信頼性向上を目的とし,データの品質保証と推論過程の不確実性制御を統合的に扱うフレームワークの構築を目指している.当初の計画では,不良回答検出,選択バイアス補正,パラメータ推定の高度化を柱とし,生成AI技術との融合も視野に入れていた.
本年度は,研究計画の一部を変更し,フレームワークの基盤となる統計的決定理論に基づく推論手法の高度化に重点を置いた.具体的には,予測誤差のベイズリスクを最小化する説明変数依存型モデル選択法を提案し,データ特性に応じた適応的な予測分析を可能にした(Inoue et al., IEICE Trans., 2026).また,AUROCを最大化する分類器の構成法を統計的決定理論の枠組みで定式化し(須子ら, SITA2025),階層構造データに対するECOC符号設計による分類手法の拡張(道正ら, SITA2025),および線形潜在構造を考慮したオフライン政策評価法の開発(増本ら, SITA2025)に取り組んだ.これらの成果は,不完全なデータ環境下での分析精度と信頼性を統計的に保証するための基礎理論に相当し,当初計画の中核である「推論過程における不確実性の制御」に直接貢献するものである.生成AI技術との融合については次年度以降の課題として継続的に取り組む予定である.