表題番号:2025C-542
日付:2025/11/10
研究課題気候変動にともなう強制移住の社会学研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 教授 | 浜本 篤史 |
- 研究成果概要
本研究は、気候変動の「適応策」として国際的に推進されつつある人間の移動(いわゆる「気候移住」や「気候難民」)について、その社会的側面の捉え直しをおこなうことを目指し、その手始めとして研究動向の把握を進めた。気候変動の危機を目前にして国際機関は近年、移住は「最後の手段」なのではなく、むしろ、「積極的適応策」であるという考えを示しているが、地域社会や住民レベルでは単純に「望ましい合理的選択」とはいえない実態もある。こうした動向を念頭に2025年度は主に、York Universityで開かれた”Climate Migration Futures: Shaping The Research Agenda for 2050”への参加を通じて、移住と生計回復、レジリエンス、気候正義、倫理的適応戦略などの検討をおこなった(ここで議論したシナリオプランニングは、Forced Migration Review誌で紹介されることになっている)。また東南アジアや南アジア、中東、アフリカなどの動向を把握するとともに、既存の強制移住研究との接点を認識することができたところであり、さらに次年度は初歩的探求を進めていきたい。