表題番号:2025C-536
日付:2026/03/31
研究課題18世紀フランスにおける海産物の仲買商人の活動ーボルドーの事例からー
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 教授 | 君塚 弘恭 |
- 研究成果概要
- 本研究は、18世紀フランスにおける海産物商品の流通について理解を深めることを目的とし、ブルターニュ産塩漬けイワシの流通拠点となった海港都市ボルドーにおける仲買商人の活動を調査するものである。 申請者は、本研究課題に先行する課題研究で、ボルドーの後背地で、塩漬けイワシの消費地であったラングドック地方の内陸都市における海産物流通について調査した。それによれば、ラングドック地方の中枢都市トゥールーズの卸売商フォンタニルは、ボルドーに移住して事業を行っていた親族と会社契約を結んでボルドーとトゥールーズを結ぶ商業を展開していた。また、ボルドーで活動していたフォンタニルは、北大西洋のタラ漁にも出資していて、海産物を積極的に扱う商人だった。 かかる先行調査結果を受けて、申請者は、ボルドーにあるジロンド県文書館のウェブサイトを利用して、18世紀のボルドーで活動した卸売商人アントワーヌ・フォンタニルに関する史料の所在について調査した。ボルドーでの調査研究は、科研の研究課題とも接続されるものだったが、9月に夏期休暇を利用してボルドーのジロンド県文書館で1週間史料調査を行い、フォンタニルの残した営業書類を収集した。フォンタニルの営業書類から、この卸売商がブルターニュ地方で買い付けた塩漬けイワシをボルドーで受け取り、トゥールーズの卸売商に分売していたことが明確にわかった。本調査研究は、大西洋沿岸からラングドック地方までの海産物の流通経路、分売拠点を史料的根拠を明確にしながら、浮かび上がらせることに成功した。また、フォンタニルは、ブルターニュ地方ロリアン周辺に塩漬けイワシ生産のアトリエを所有していた。 なお、2026年3月に予定していたモンペリエでの資料調査は、2026年2月に発生したイスラエルとアメリカ合衆国によるイラン攻撃と中東地域上空を通過する航空機航路のリスクが高まったことで、中止するに至った。