表題番号:2025C-530
日付:2026/03/31
研究課題光集積回路用半導体レーザの逆設計手法
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 大学院情報生産システム研究科 | 准教授 | 硴塚 孝明 |
- 研究成果概要
- 光通信システムの大容量化・高度化に伴い、光送受信器および光集積回路に求められる性能要件は年々厳しさを増している。近年の最適化設計手法の進展により、光回路設計は自動化に向けて発展している。一方で、半導体レーザの最適化設計は、非線形性に起因する解析の複雑さから、依然として十分に確立されていない。本研究では、半導体レーザの設計技術の高度化を図り、所望の仕様を満たすレーザ構造を導出可能な新たな逆設計手法を検討する。対象として、コヒーレント通信の拡大により需要が高まっている狭線幅レーザを取り上げる。分布帰還(DFB)レーザは、外部共振器型と比較して小型化が可能である一方、高注入領域においては空間ホールバーニング効果により線幅が増大し、単一モード発振の安定性が低下する課題がある。これらの課題の解決に向けて、複数領域分割型DFBレーザを導入し、領域長および回折格子ピッチ等を設計変数として、狭線幅化を目的とした最適化設計に取り組んだ。最適化手法として遺伝的アルゴリズムを導入し、交配および突然変異の操作を工夫することで、線幅を目的関数とした最適化を行った。半導体レーザの線幅解析には、空間ホールバーニングの効果を含んだ転送行列モデルに基づく手法を用いた。最適化設計の結果、領域分割DFBレーザにおいて20 kHz以下の線幅が得られる可能性が示された。また、従来型の位相シフトDFBレーザやCorrugation-Pitch-Modulated(CPM)DFBレーザと比較して、高注入時における発振モードの安定性に優れることがミュレーションにより確認された。本手法は、狭線幅設計にとどまらず、変調特性等の半導体レーザの最適化にも適用可能であると期待される。