表題番号:2025C-522 日付:2026/03/19
研究課題電動大型車の更なる電費改善のためのエコドライブ速度変化パターン最適化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院環境・エネルギー研究科 助教 方 亦園
(連携研究者) 理工学術院 研究院准教授 楊イ翔
(連携研究者) 理工学術院 教授 紙屋雄史
研究成果概要
自動車の電動化は脱炭素社会の実現に向けて重要性を増しているが,大型商用車,とりわけごみ収集車のような特殊運行車両においては,実運用条件に即して電動化の利点や省エネ運転のあり方を明らかにした研究はまだ十分ではない。本研究では,電動大型車を対象に,実走行データおよび実験データに基づいて,ごみ収集車特有の速度変化パターンとエネルギ消費特性を解析し,電動大型車に適した省エネ運転の方向性を検討した。

まず,多摩市における実証試験データを用いて,戸別収集走行時の速度変化パターンと電力消費特性を詳細に分析した。その結果,戸別収集走行は,低速・短距離・頻繁な発進停止・長い停車時間を特徴とし,従来のディーゼル車では不利な条件である一方,電動車両では発進応答性の高さを活かせるため,電動化の利点が大きいことを示した。また,多くの走行が回生可能速度以下で行われるため,回生エネルギ回収量は限定的であり,補機消費電力の影響が相対的に大きいことも明らかとなった。さらに,収集地点間距離と最高速度の間に強い対応関係が見られ,今後の速度変化パターン最適化による電費改善の可能性を示した。

次に,神戸市における公道走行試験およびシャシダイナモ試験データを用い,加速の強弱がエネルギ消費に与える影響を比較した。その結果,最高速度と走行距離を揃えた条件では,急加速と緩加速の違いによるモータシステム消費エネルギ差は限定的であり,電動大型車では従来の内燃機関車を前提とした「穏やかな加速」中心のエコドライブ概念を再検討する必要があることを示した。

関連成果は,2025年度に,FISITA World Mobility Conference 2025 において Research on Clarifying the Merits of Electrification for Garbage Trucks Through Actual Driving Condition Surveys として公表され,また,自動車技術会関東支部学術研究講演会において 電動大型車における急加速・緩加速間のエネルギー消費量比較分析として発表した。