| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) | 教授 | 吉田 篤正 |
- 研究成果概要
ファン付き衣服が人体の熱ストレス軽減に及ぼす生理的・心理学的効果を被験者実験により検討した。気温33℃の条件では、ファン付き衣服が汗の蒸発を促進することで体温上昇を効果的に抑制することが示された。相対湿度が上昇するにつれて、ファン付き衣服内の気流による冷却効果が明確に観察され、冷却ベストを併用することで、この効果はさらに顕著になった。気温38℃の条件では、ファン付き衣服と冷却ベストを組み合わせることで、冷却効果が著しく向上した。さらに、ファン付き衣服は、特に高湿度環境下において、温熱的快適性を高めた。これらの結果は、ファン付き衣服が内部の換気と蒸発を促進することで、熱負荷を軽減することを裏付けた。
高温多湿環境下における水分摂取が体温調節反応に及ぼす影響を被験者実験により検討した。対象としたメカニズムは、冷水摂取による体内冷却と低張液摂取による血漿量維持の2つである。安静時および運動時の体幹温度、皮膚血流量、心拍数、発汗反応を測定した。大量の冷水摂取は運動開始時の体幹温度を低下させ、体温調節反応を遅延させた。効率係数を用いた簡略化された熱収支式を導入し、冷却効果を定量化し、既存の体温調節モデルへの組込を検討した。一方、低張液は脱水症状につながる可能性のある長時間運動中の体幹温度の上昇を抑制した。
日々の暑熱曝露と季節順応との関係を調査した。周囲の気温を継続的にモニタリングし、35℃、50%RHの条件下で複数期間にわたり繰り返し運動熱負荷試験を実施した。体幹温度上昇には一貫した季節変動は見られなかったが、発汗量は順応期に増加し、減衰期以降は減少した。定期的な運動を行っていた被験者は、季節による差異が明確でなく、年間を通して耐暑性が維持されていることが示唆された。これらの結果は、季節順応を評価する際には、曝露レベルと個人特性の両方を考慮する必要があることを示唆している。