表題番号:2025C-511
日付:2026/02/16
研究課題髄鞘成分によるアストロサイト活性化機構の解明と脱髄疾患病態への関与
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助手 | 木下 真治 |
| (連携研究者) | 理工学術院 | 教授 | 井上貴文 |
| (連携研究者) | 生命医科学科 | 学部学生 | 相澤雄紀 |
- 研究成果概要
- 近年、中枢神経系における脱髄病態では、グリア細胞間の相互作用が初期の病巣形成および再髄鞘化の進行に重要な役割を果たすことが明らかになってきた。しかし、脱髄発生時にどのような分子機構によって周囲の細胞応答が誘導されるのかについては、依然として未解明な点が多い。申請者はこれまでの研究から、髄鞘成分に由来する分子がアストロサイトを直接活性化し、細胞外シグナルの分泌を介して周囲の細胞に作用する可能性を見いだした。 そこで本研究では、脱髄時に放出される髄鞘関連分子によるアストロサイト活性化機構と、その下流で誘導されるグリア細胞応答の制御機構を明らかにすることを目的とした。マウス由来培養グリア細胞に各種蛍光プローブを導入し、タイムラプスイメージングを用いて解析を行った。その結果、髄鞘由来成分による刺激により、アストロサイトからのATP放出が即時に誘導されることを見いだした。さらに、ATP受容体の活性化を介してグルタミン酸放出および細胞内カルシウム応答が誘導されることが明らかとなった。加えて、マウス急性脳切片での解析により、同様の反応が生体環境下においても再現されることが確認された。今後はこれらのシグナルが他の細胞種の動態や機能に及ぼす影響について検討を行う。