表題番号:2025C-505 日付:2026/03/31
研究課題GABAA受容体動態に対する揮発性麻酔薬の影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 櫻木 繁雄
研究成果概要
 揮発性麻酔薬は臨床で広く用いられている一方で、「どのようにして意識を消失させるのか」という根本的な問いには未だ明確な答えが得られていない。従来、これらの麻酔薬は膜流動性の変化を介して非特異的に作用すると考えられてきたが、近年では特定の受容体やイオンチャネルを介した選択的な分子機構の関与が示唆されている。そこで本研究では、抑制性神経伝達を担うGABAA受容体と代表的揮発性麻酔薬イソフルラン (ISO)の関係に着目することによって、ISOの作用機序を明らかにすることを研究目的とした。ラット初代海馬神経細胞に対してISOを曝露し、GABAA受容体や生体膜を構成するリン脂質1,2-dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine (DPPE)が受ける影響、ならびにISO曝露後のGABAA受容体局在を調べた。また、小胞体内の貯蔵カルシウムイオンがISOの作用に与える影響についても検証した。
 一方、リン脂質の細胞膜上動態を検証するためリン脂質を量子ドットでラベルする新規量子ドット1分子イメージング法を開発し、その成果をBiophysics and Physicobiology誌に投稿し採択された。また、本研究の成果を中心に第48回日本神経科学大会、第68回日本神経化学会大会、第48回日本分子生物学会年会で発表した。