表題番号:2025C-497
日付:2026/03/07
研究課題大規模量子化学計算に向けた2体縮約密度行列にもとづく電子相関計算手法の開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助教 | 高島 千波 |
- 研究成果概要
- 量子化学計算は分子物性や化学反応を理論的に予測できる手法のひとつである。大規模系に適用するには計算コストが膨大となるため、計算精度を維持したまま計算を効率的に行う手法が必要である。分割統治法は、系を部分系に分割し得られた結果を統合することで計算コストを削減するための有力な手法である。しかし、結合解離が関わる反応や電子移動を伴う反応で重要となる静的電子相関は長距離的な効果を含んでいるため、従来の分割統治法では記述することが困難である。そこで本研究では静的電子相関を取り込んだ分割統治法の開発を目的とした。電子波動関数の積の2電子に関する積分として定義される2体縮約密度行列に着目し、密度行列分割型の分割統治法とエネルギー分割型の分割統治法を組み合わせた。2体縮約密度行列を1体縮約密度行列の積で表される項と、4階テンソルであるcumulant項に分け、それぞれの局所性に着目することで、定式化とプログラム実装を行った。水素鎖モデルを用いた数値検証の結果、静的電子相関が重要となる結合解離領域において、開発した手法は厳密解を化学的精度で再現することがわかった。本研究成果を国際会議における招待講演とポスター発表、国内会議における口頭発表で報告した。