表題番号:2025C-489 日付:2026/04/12
研究課題蛋白質分子間結合エネルギー分割解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 高野 光則
研究成果概要
蛋白質分子間結合エネルギーには静電項と非静電項があり、分子動力学(MD)シミュレーションではこれらを正確かつ高速に計算する必要がある。これを可能にする計算モデルとしてGB/SA(Generalized Born / Solvent accessible Surface Area)モデルがある。GB/SAモデルで必要になるパラメータ設定ための基礎研究として、昨年度は、蛋白質分子間結合における非静電項のエネルギー分割解析を行い、蛋白質分子のように大きな分子の場合、分子内部の埋もれ原子による蛋白質間van der Waals(vdW)引力への寄与の累積が大きくなることを示した。この結果を受け、本年度は蛋白質分子間のvdWの引力相互作用が蛋白質分子内部にどのように浸透していっているかを示すための可視化を試みた。可視化においては各原子ペア間のvdWエネルギーの絶対値の対数をとることによってvdW相互作用が分子内部に浸透していく様子を示すことができた。また、相互作用カットオフによる影響の調査とGB項の計算高速化にも取り組んだ。本年度はさらに静電項の解析も進めた。水の誘電率の温度依存性から水中での異符号荷電粒子間の結合はエントロピー駆動であることが予想されるが、本研究では、荷電粒子の電荷量を系統的に変化させることにより、結合駆動力がエンタルピー駆動になる場合とエントロピー駆動になる場合の両者が出現することを見出した。