表題番号:2025C-477
日付:2026/01/26
研究課題アニオンシャトル型求核剤を用いたクロスカップリング反応の開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 教授 | 山口 潤一郎 |
- 研究成果概要
- 芳香族炭素–ヘテロ原子結合は、ハロゲン化アリールをはじめとする芳香族求電子剤とヘテロ求核剤との遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応により形成可能である。我々はごく最近、独自に開発した有機メチルチオ化剤を用い、多様な芳香族求電子剤のメチルチオ化を達成した。窒素原子の電子対の押し込みによりチオラートを徐々に放出する「アニオン移動型メチルチオ化剤」を設計・活用することで、金属被毒を抑制し、困難であった低反応性芳香族求電子剤のメチルチオ化を達成した。本反応は多環芳⾹族化合物、官能基化芳⾹族化合物、ヘテロ芳⾹族化合物に加え、医薬品や天 然物誘導体にも適⽤できることを⽰した(全57例、うち医薬品·天然物10例)。さらに、反応系中にお ける炭酸セシウムおよび亜鉛の役割について調査し、これらの添加剤が酸化的付加や配位⼦交換、さ らには⾦属触媒の失活抑制に寄与する可能性を⽰唆した。最後に、反応系中におけるメチルチオラー ト濃度の適切な当量添加が反応効率に⼤きく影響することを明らかにし、本メチルチオ化剤の重要性 を⽰した。