| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 綾部 広則 |
- 研究成果概要
本研究のねらいは、主に2010年代⽇本の科学技術と社会の全体像を把握することにあった。全体像の把握に努めようとしたのは、東⽇本⼤震災や原発事故等、個別のテーマについてはすでに豊富な研究蓄積があるが、これまでの蓄積を踏まえた上で、包括的な論点整理を⾏ったものは見当たらないためである。そのために本研究では、副座長として筆者もかかわった100名規模の研究プロジェクトである新通史フォーラムで、約10年にわたり続けられてきた2010年代⽇本の科学技術と社会に関する研究プロジェクトの成果(塚原修一編集代表『新通史―日本の科学技術 秩序変容期の社会史(2011-2024年)』 原書房(全3巻)として、2025年末より順次刊行中)の各章(国家体制・エネルギー、技術・産業・競争力、デジタル社会、大学・教育・学術、医学・医療、市民生活と科学技術の6部、合計62章+9コラム)を横断する共通課題を抽出するという手法をとった。これにより、国家体制・エネルギー、技術・産業・競争力、デジタル社会、大学・教育・学術についてはいくつか共通する課題がみえてきたが、医学・医療、市民生活と科学技術については、対象とする範囲の広さもあって最終原稿の確定作業に予想外に時間がかかったため、共通課題の抽出までには至らなかった。したがって、今後は、医学・医療、市民生活と科学技術に関する情報を加味することで、2010年代⽇本の科学技術と社会に関する共通課題の抽出を行う。なお、こうした作業を通じて得られた結果については、学会等で発表することを予定しているが、発表時間に制約のある学会では十分に議論が尽くせないことを考え、学会とは別にシンポジウム等を開くことで看過されている重要な共通課題がないか等について探っていくことを考えている。