表題番号:2025C-467
日付:2026/03/08
研究課題構造物の熱変形予測に関する研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 石村 康生 |
- 研究成果概要
- 本研究では,構造物の熱変形予測に関する研究として,熱変形の要因分析のための新たな評価方法の提案,それらを用いた熱変形予測,さらなる予測精度向上のための構造の非対称性および締結物のモデル化 といった3つの課題に取り組んだ.まず,熱変形の要因分析を以下の手順に従い実施した.実際に発生している各部の温度の時間履歴について,相関係数を導出する.相関係数が高い時間履歴をグルーピングし,独立な温度の時間履歴を導出する.次に,これらの時間履歴を正規化し,基底関数としてとらえて,実際の計測変位の時間履歴を分解する.具体的には,正規化された基底関数の線形和と計測変位の誤差が最小となるように最適な各基底関数の係数を導出する.この係数の絶対値が大きい部分の温度変化が,発生している熱変形の主要因であると考えられる.次に,温度履歴を用いた熱変形解析結果と変位計測結果を比較する.これらの差異に対しても同様に基底関数で分解する.その結果,どこの部位の温度によってこれらの差異が説明できるかが同定される.同定された構造部位について,解析モデルの妥当性や温度計測の正確性についての再検討を行うことで,構造物の熱変形予測精度が向上する.最後に,熱変形解析において最も重要な部分である構造の非対称性および締結部について,そのモデル化が熱変形評価に及ぼす影響を評価した.対象として,DREAM4変位計測装置を扱い,解析および実験に基づき熱変形の要因を分析した.実験の結果,非対称な熱変形を生む支配的な要因が,光学機器の非対称性や,締結部のモデル化にあることが分かった.光学機器については,その内部構造の非対称性の有無および熱変形に対する感度の評価が重要であり,締結部については,解析モデル上での接点共有の仕方に留意が必要で,特にシムの有無については,精緻なモデル化が必要であることが分かった.