表題番号:2025C-459
日付:2026/02/24
研究課題作業支援システム構築に向けた作業者状態推定手法の拡張
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 講師 | 渡邉 るりこ |
- 研究成果概要
産業分野における人材不足の解消には,従業員の身体的・心理的状態をリアルタイムで捉え,適切な支援を行うシステムの構築が不可欠である.本研究では,ウェアラブルセンサーから得られる生体情報に基づき,作業ミスの予測や集中状態の推定を行い,それに応じた作業支援を提供する手法の提案を目的とした.令和7年度の成果として,従来の異常検知手法を変分オートエンコーダ(VAE)へと拡張し,多角的な状態推定モデルを構築した.これにより,従来の二値的な作業ミス予測に加え,作業者の集中状態を含む複数の内的状態を同時に推定することが可能となった.集中状態の指標としては,特に視線の注視分散に着目し,作業者の認知負荷や注意力の散漫を定量的に評価するアルゴリズムを開発した.推定された作業状態に基づく将来的な適応支援を見据え、リアルタイムで視覚的な補助を行うAR作業支援システムの基礎開発を行った.本システムは,作業手順を現実空間に重畳表示するものであり,今後の推定された作業状態に基づく支援に向けた基盤となる.また,AR支援が作業者に与える影響を評価するため,生体情報に対して解析することで,ARによる情報提示が作業者の認知負荷や集中状態に及ぼす特性を明らかにした.
以上の通り,本研究は生体情報に基づく状態推定手法の構築から,ARを用いた支援システムの試作,生体影響の定量的評価までを体系化した.これは,将来的な生体情報フィードバック型支援システムの実現に向けた重要な基盤技術であり,人間中心の生産システムを構築する上で進展であるといえる.