表題番号:2025C-456 日付:2026/03/31
研究課題組織再編に伴う定性情報の開示と企業価値に関する実証的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 平井 裕久
研究成果概要
 本研究では、企業の組織再編に際して開示される定性的情報と企業価値との関係について、実証的な分析を行った。近年、企業評価においては財務情報のみならず、戦略や将来ビジョン、ガバナンスといった非財務情報の重要性が高まっており、投資家との間に存在する情報の非対称性の解消が重要な課題となっている。本研究は、この問題意識のもと、組織再編時に企業が公表する説明資料に着目し、その情報内容が市場評価に与える影響を明ら かにすることを目的とした。
 具体的には、合併、会社分割、株式交換・移転といった組織再編を対象とし、各企業が開示する資料のテキスト情報を収集し、テキストマイニングの手法を用いて分析を行った。さらに、その分析結果と株価反応などの指標を統計的に関連付けることで、開示情報の質と企業価値との関係を検証した。その結果、将来戦略や再編の目的文章の内容と、市場からの評価に関連のあることが確認された。
 本研究の成果は、企業に対して有用性の高い情報開示のあり方を示すとともに、制度面においても開示内容の質の向上に向けた検討の必要性を示している。特に、企業と株主・投資家との対話の質を高める観点から、会社法および金融商品取引法に基づく開示制度の改善に資する知見を得られる物であると考えられる。