表題番号:2025C-454
日付:2026/04/03
研究課題両利きの経営の理解を深めるためのゲーミング・シミュレーションによる学習方法の開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 高橋 真吾 |
- 研究成果概要
「両利きの経営」は、近年イノベーション創出の鍵として注目されている概念であり、企業が既存事業と新規探索事業を同時に位置づけ、それぞれに適切な資源配分を行いながら両立させることで、急速に変化する市場や破壊的イノベーションの中でも持続的に成長することを目指す経営手法である。
この理論の理解と実践を促す教育は多様な機関で展開されており、例えばハーバード・ビジネス・スクールでは、架空の電池企業「Back Bay Battery」を題材にしたオンライン型の資源配分シミュレーションが提供されている。ただし、この教材は主に個人レベルでの意思決定に焦点を当てている点に特徴がある。
一方、組織学習の観点では、個人および組織のメンタルモデルの相互作用を通じたシングルループ学習とダブルループ学習が存在し、その過程では複数の失敗要因が生じ得る。例えば「Fragmented learning」は、個人の学習成果が組織全体に共有されず、組織としての学習が進まない状態を指す。
本研究課題では、両利きの経営が求められる状況において、こうした組織学習の重要性を体験的に理解できるビジネス・ゲーミング・シミュレーション(GS)の開発を行った.開発したGSは参加者同士の意思決定と相互作用によって進行し、実践的な学習効果をもたらす点に特徴がある。構築したシミュレーションを用いた実験の結果、情報共有の不足が業績悪化につながるメカニズムを再現できることが確認され、さらに振り返りを通じて高い学習効果が得られることが示された。