表題番号:2025C-443
日付:2026/04/03
研究課題日本古代建築における形式伝播の研究
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 准教授 | 小岩 正樹 |
- 研究成果概要
- 本研究課題は、日本における伝統的木造建築を対象に、特にその形態について着目し、成立の要因について検討を行うものである。日本の木造建築の成立という観点では、先史および古代が研究対象の時代となるが、ここでは主に寺院建築を取り上げ、他文化圏からの伝播と日本における選択的受容について検討することとする。また、本研究は中国の慕啓鵬(山東建築大学・講師)を中心とする漢代石造墓の研究グループと連携を行うものである。したがって、建築史においてはよく知られるギリシア源流説を唱えた伊東忠太『法隆寺建築論』も下敷きとなるが、主要構造体である柱、栱、斗などに分節して考察することや、中国漢時代の石造墓の形式を踏まえ、ローマ、ギリシアとの比較を行うことを通じて、検討を行ってゆく計画である。2025年度は、研究者間の情報交換を念頭に置き、遺構の特徴の抽出と相互比較を行った。形式把握のため、既知の情報の収集と中国石造墓の現地調査を研究グループとして実施したが、山東省を中心に以下を対象とした。・山東博物館保存漢画像石墓材・済寧嘉祥武氏祠・滕州博物館漢画像石館および和前毛堌村漢画像石墓・官橋漢墓群遺跡・母祖山漢代石切場遺跡・沂南北寨漢画像石墓・臨沂市博物館吴白庄漢画像石墓・莒州博物館大沈劉庄漢画像石墓その結果、まずは木造建築の架構部材が石材に反映されていることが確認できたものの、その形状や装飾などの表現は木材とは別の独自のものであろうとの推測がたった。また、それら表現の起源や伝播過程については、現状では明確に証拠に基づいて論じるには足りず、山東省の遺構から対象を拡げて考察する必要があることを確認した。なお、漢墓の平面形態も住居を元としつつもいくつかの類型が見られ、これについても考察の項目に加えてゆけることも確認した。