表題番号:2025C-441
日付:2026/01/23
研究課題共ドーピングによるグラファイト状窒化炭素/粘土鉱物光触媒複合体の構築と水素生成
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 助教 | 蔡 文安 |
| (連携研究者) | 早稲田大学 理工学術院 | 教授 | 笹木 圭子 |
| (連携研究者) | 北海道大学 工学部 | 教授 | 川村 洋平 |
| (連携研究者) | 九州大学 工学研究院 | 准教授 | 三木 一 |
| (連携研究者) | 北海道大学 工学部 | 博士課程後期 学生 | 許 昱璘 |
| (連携研究者) | 南京理工大学 化学と化学工学学部 | 博士課程後期 学生 | 丁 慧偉 |
- 研究成果概要
本研究では、持続可能な水素エネルギーの実現に向け、金属修飾ポリマー半導体と層状粘土鉱物を組み合わせた新規光触媒材料の創製を行った。ポリマーベースの窒化炭素は環境負荷が小さく、安定性にも優れるが、光吸収範囲や電荷分離効率の向上が課題となっている。本研究では、この基盤材料に対し複数の金属種を導入し、電子構造の調整と電荷輸送経路の最適化を試みた。金属導入による局所構造の変化は、電荷捕捉状態の制御および光励起キャリアの再結合抑制に寄与することが示唆された。
さらに、層状構造を持つ粘土鉱物との複合化を行い、光触媒内部に新たな界面を構築した。粘土鉱物は高い比表面積と優れた分散性を備えており、反応物吸着の向上や光触媒表面での反応サイトの拡大に寄与する。金属修飾を施した粘土との組み合わせにより、光触媒と粘土界面で内部電場が形成され、光生電荷の分離および移動が促進されることが確認された。
構築したヘテロ接合光触媒は、金属ドーピングによる電子構造制御と、粘土鉱物由来の界面効果が協調的に作用することで、基盤材料と比較して光応答特性が改善され、水素生成反応における活性向上が見られた。特に、複合化による界面相互作用は電荷移動効率を左右する重要な要因であり、今後の光触媒設計における指針となる。
本研究の成果は、金属ドーピングと粘土鉱物との複合化を組み合わせた光触媒設計が、水素生成反応の高効率化に有効であることを示したものであり、持続可能なエネルギー材料の開発に新たな展望を提供する。国際誌Acta Physico-Chimica Sinica (IF 13.7)にアクセプトされた。