表題番号:2025C-433 日付:2026/03/23
研究課題窒化物半導体とダイヤモンドの融合に向けた結晶成長技術の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 准教授 出浦 桃子
研究成果概要
窒化物半導体とダイヤモンドの特長を生かした融合デバイスに向けて,ダイヤモンド基板上へのGaN,ならびにGaN/サファイア基板上へのダイヤモンドのヘテロエピタキシャル成長に取り組んだ.
①ダイヤモンド基板上GaN成長
窒化物半導体は六方晶のウルツ鉱構造,ダイヤモンドは立方晶のダイヤモンド構造をもち,ウルツ鉱構造の(0001)面とダイヤモンド構造の(111)面は等価な原子配列をもつ.しかし,ダイヤモンド(111)基板のサイズが十分でないため,今回はダイヤモンド(001)基板を用いた.また,ダイヤモンドとGaNは互いに核発生しにくいとされているが,本研究では製膜種の付着確率が高い分子線エピタキシー(RF-MBE)を用いて,GaNの直接成長を検討した.従来のGaN成長に利用している条件を活用したところ,ウルツ鉱構造単相でc軸に単一配向したGaNが直接成長した.しかし,50~200 nm程度の柱状結晶から構成されており,配向性や表面平坦性も一般的な薄膜と比較して不十分であった.本来区別されるべきGaNの2種類の面内配向がダイヤモンドに対して完全な対称関係となってしまい回転双晶が共存したため,柱状結晶の融合が阻害されたと考えられる.今回検討した範囲では,成長温度やIII/V比の変化では回転双晶は改善されなかった.
②GaN/サファイア基板上ダイヤモンド成長
マイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)を用いてダイヤモンド成長を検討した.従来のダイヤモンド基板上のホモエピタキシャル成長条件を適用したところ,ダイヤモンドは成長されず,水素プラズマによりGaN表面がエッチングされてピットが発生した.適用可能な範囲内でGaNエッチングを抑制する条件を検討したところ,GaNピットは形成されたものの,ピット内部に生成物が観察された.しかしこの生成物がダイヤモンドであることは確認できなかった.