表題番号:2025C-432 日付:2026/02/13
研究課題粒子ロスのある冷却原子気体の理論的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 准教授 内野 瞬
(連携研究者) 早稲田大学 博士課程学生 柿元 健祐
研究成果概要
冷却原子気体を用いた2端子輸送系では現在、伝導チャンネル領域における1体損失と2体損失の影響を調べることが可能となっている。これまでの理論研究では、1体損失の影響による量子輸送の影響が調べられていた。本研究では、Keldysh形式とLindblad型Master方程式を組み合わせた場の量子論的手法を用いることで、2体損失がある場合の量子輸送について理論解析を行なった。
より具体的には、2体損失の効果を自己無撞着Born近似を用いて取り入れることで、粒子流と熱流の一般式を導出した。得られた表式は、一体損失の場合と形式的に類似しているが、重要な違いとして、二体損失では有効散逸強度が反対スピンの占有数に比例するという占有数依存性を持つ。この非線形フィードバックにより、弱散逸領域では一体損失よりも粒子流抑制が弱くなることが示された。特に単一サイト模型では、コンダクタンスが一体損失の場合より大きくなることが解析的に示され、数値的にも有限温度でその傾向を確認した。本成果は、Physical Review Research誌に発表した。