表題番号:2025C-429
日付:2026/02/28
研究課題シリサイド接合を利⽤したマイクロ熱エネルギーハーベストデバイスの開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 教授 | 渡邉 孝信 |
| (連携研究者) | 基幹理工学研究科 | 修士課程2年 | 粟田 舞衣 |
| (連携研究者) | 基幹理工学研究科 | 修士課程2年 | 三浦 拓也 |
| (連携研究者) | 基幹理工学研究科 | 修士課程1年 | 林 竜也 |
| (連携研究者) | 基幹理工学部 | 学部4年 | 奥田 耕太朗 |
| (連携研究者) | 基幹理工学部 | 学部4年 | 高山 開智 |
| (連携研究者) | 基幹理工学部 | 助手 | Md Mehdee Hasan Mahfuz |
| (連携研究者) | 基幹理工学研究科 | 修士課程1年 | 生沼泰成 |
- 研究成果概要
- 研究代表者らが開発した超高集積シリコン熱電発電デバイスのさらなる高出力化にむけて、熱電レグ層と同じレイヤー内で多段直列接続させる新たな集積化技術を開発した。Siレグ部を除いた配線部をニッケルシリサイド (NiSi) 化した多段熱電デバイスを作製し、発電性能に及ぼす影響を調査した。実験の結果、デバイスの内部抵抗は配線部のNiSi化によって大幅に低減された。NiSi化しない同形状のデバイスと比較して、概ね発電密度が勝った。一部、Siレグ長が短い領域で逆転がみられたが、これはSiレグに接続するパッド部のSiにおける熱起電力の影響と考えられる、微細化とともにこのSiパッド部の面積は減少させる必要があるため、微細化を進めた極限では、レグ長に関係関係なくNiSi化により内部抵抗を低下させたデバイスの方が有利になると考えられる。さらに本研究では、中低温領域ですぐれた熱電性能を有するマグネシウムシリサイド(Mg₂Si) を用いたマイクロ熱電デバイスの開発に取り組んだ。SOI基板にMg薄膜をイオンビームスパッタリングで堆積し、400℃のアニール処理を5時間行ってシリサイド化を行った。作製した薄膜の結晶構造を、斜入射XRDを用いて評価したところ、堆積するMg層が薄い場合は未反応のSi結晶由来のピークが観測され、厚くしすぎると余剰Mgが酸化膜を形成する。Mg₂Siの化学量論比から決まれる理想的な膜厚のMg層を堆積すると、Siピークが消失し、Mg₂Siからの強い回折線が得られた。電気抵抗測定の結果、報告されているMg₂Siと同程度のシート抵抗が得られた。このMg₂Si薄膜資料をフォトリソグラフィおよびエッチングによりパターニングを行って熱電デバイスを試作し、熱起電力の計測に成功した。現状、Mg₂Siのパワーファクタは室温付近ではSiに及ばないが、今後添加元素の種類や量を最適化することで、中低温領域だけでなく、室温付近でもSiを凌ぐ発電性能が実現される可能性がある。