表題番号:2025C-428 日付:2025/11/27
研究課題統計的推定の組み込みによる超高速高精度量子計測法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 谷井 孝至
研究成果概要
ダイヤモンド中のNVセンタ―を用いたNMR計測、温度計測、NVセンタ―の深さ計測に対して最尤法を適用して計測の高速化を図った。ダイヤモンド中の単一NVセンタ―を用いた上記の量子計測は、原理的に、高い空間分解能と測定精度を達成できるが、他方では、そもそも単一結晶欠陥からの単一光子計測となり、その上、ダイヤモンドが高屈折率材料であることから、単一NVセンタ―から発せられた蛍光光子が内部で全反射してダイヤモンドの外側に放出されにくく、それ故に検出効率が低いため、基本的に数時間から一昼夜を要する計測となることが課題となっていた。そこで、量子計測と最尤推定との整合性の良さを検証し、単一光子検出器が発する検出パルスをFPGAを介してLAN経由でGPU-PCに送出するシステムを構築した。その結果、推定値をリアルタイムでGPU-PCで表示可能となり、1桁から2桁の計測時間短縮に成功した。