表題番号:2025C-418 日付:2026/01/22
研究課題数値シミュレーションを用いた切り紙型熱電発電デバイス周りの伝熱特性解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 講師 寺嶋 真伍
(連携研究者) 早稲田大学 教授 岩瀬英治
(連携研究者) 東京大学 教授 塩見淳一郎
(連携研究者) 特任准教授 統計数理研究所 大西正人
研究成果概要
本年度の研究は,切り紙を基板構造として採用した切り紙型熱電発電デバイスに関するもので,熱電素子表面からの放熱を数値シミュレーションにより定量評価した.昨年度において,熱電発電デバイス周囲の空気の有無が出力に及ぼす影響を評価した.結果として空気がある場合において,立ち上げる変形によって出力が大きくなるという実験から判明した現象を再現することができた.そこで次のステップとして,空気の流れを考慮する数値シミュレーションを用いて,熱電素子内部の熱流と温度分布を調査した.高温熱源温度を373.15 K,低温熱源温度を293.15 K,熱電素子のサイズを1 mm(厚み),3 mm(幅),4 mm(長さ)として数値シミュレーションを行った結果,熱電素子表面に断熱条件を適用しないモデル(熱電素子表面から放熱するモデル)では, 熱電素子内の温度差は38.7 K(Th=362.8 K, Tc=324.1 K)であった.その一方で,断熱条件を適用したモデル(ただし,立ち上がった放熱面は断熱としない)では,温度差は34.5 K(Th=368.2 K, Tc=333.7 K)となった.昨年度に行った熱電素子内部の温度差を実験的に計測した結果では,温度差が43℃であった.このことから,放熱を考慮する数値シミュレーションモデルの方が妥当性が高いことも確認した.これらの結果から,断熱条件を適用しない,つまり放熱を考慮した場合の方が,熱電素子内部に形成される温度差が大きくなることを把握した.したがって,例えば,熱電素子表面からの放熱を促進するような工夫がTEGの性能向上に大きく貢献する.