表題番号:2025C-417
日付:2026/04/03
研究課題流れの高精度近似手法と構造最適化による水冷傾斜機能ラティス構造の開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 教授 | 竹澤 晃弘 |
- 研究成果概要
本研究は,三周期極小曲面(TPMS)ラティスを用いた二流体熱交換器に対し,巨視的解析に基づく流路最適化手法を提案したものである.TPMSラティスは高比表面積と境界層撹乱により優れた熱伝達性能を有するが,従来の一様ラティスでは必ずしも最適な流動・熱交換構造とはならないという問題がある.本研究では,複雑なラティス内部流れを直接解析する代わりに,多孔質体として扱う巨視的モデルを構築し,流動にはDarcy–Forchheimer則,熱伝達には体積熱伝達係数を導入したモデルを用いた.これにより,詳細形状を解像せずに流速・温度場を効率的に評価可能とした.さらに,TPMS Primitiveの等値面パラメータを設計変数とし,局所的な流路断面積を変化させることで,高温流体と低温流体の流れの優先度を制御する最適化問題を定式化した.最適化は有限要素解析とMMA法により実施され,U字型対向流を持つ熱交換器に適用された.その結果,流れが対角方向に誘導される非一様構造が得られ,流体間の相互作用距離が増加し,温度分布の均一化が達成された.この構造は詳細解析および金属LPBFによる実験で検証され,熱交換性能は一様ラティスと比較して約23~24%向上した.一方で,巨視モデルは圧力損失を過大評価する傾向があり,これはRVEに基づく有効物性の非周期構造への適用限界や流量依存性に起因すると考察された.また,微細流路の造形誤差が圧力損失増大の要因となることも示された.以上より,本研究はTPMSラティス熱交換器のための計算効率の高い最適設計手法を提示し,流路の非一様化による性能向上の有効性を示した.