表題番号:2025C-416 日付:2026/03/16
研究課題タスクとリソースを考慮した継続的マルチエージェント経路計画の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 助手 藤澤 陽祐
(連携研究者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 菅原俊治
研究成果概要

 本研究は複数年度にわたるテーマであり、今年度は主にMulti-Agent Path FindingMAPF)問題に関する二つの課題に並行して取り組んだ。

 一つ目は、「物品運搬等を目的とする経路の効率性の改善」である。本課題は、先行研究では十分に考慮されていなかった実環境を想定した研究であり、物品が配置された棚をエージェントが搬送するタスクと、その集合であるピッキングリストの処理効率の向上を目的とする。本研究ではこれをMAPD-MP問題と定義し、エージェントが棚を搬送していない間は他の棚の直下を通過できる特性を考慮した経路計画手法を提案した。既存手法との比較実験により、提案手法が特にエージェント密度の高い環境において、単位時間当たりのピッキングリスト処理数を向上させることを示した。また、実環境を想定した場合でも容易に満たせる環境条件を追加することで、MAPD-MP問題を必ず解くことができる「完全性」を満たすことを理論的に示した。

 二つ目は、「物品運搬等におけるリソースの配置最適化」である。本課題では、一つ目の課題と同様にMAPD-MP問題に焦点を当てつつ、自動倉庫の実環境で見られるように、物品の需要に応じて棚が搬送対象として選択される確率が異なる状況を考慮する。この前提のもとで、棚の選択確率に基づく動的な棚配置の変更、安定マッチングを用いたエージェントへのタスク割り当ての改善、物品の梱包場所付近への一時的な棚配置場所の導入という三つの手法を提案した。既存手法との比較実験の結果、これら三つの手法すべてを組み合わせた手法において、特にエージェント密度の高い環境で単位時間当たりのピッキングリスト処理数を大幅に向上させることを示した。

 今後は、「物品運搬等におけるリソースの配置最適化」に関する理論的検証を進めるとともに、自動倉庫以外の環境にも適用可能な手法の研究に取り組む。